ままならないから私とあなた

暮らし

あらすじ

不便や無駄をキライ、効率的に生きる薫。

不便さや無駄なことの中にも
人間性やあたたかみ、かけがえのないものが
宿るような気がすると言う雪子。

小学生の頃から友達同士の
薫(カオル)と雪子(ユキコ)の
大人になるまでの物語。

感想

小学生の頃から仲良しの友達と
たくさんの時間を過ごしていく中で
自分との価値観の違いが
少しずつ増えていく、
段々と浮き彫りになっていく感じは
私にも経験があるな~と
昔を思い出した。


雪子は自分が作った曲を必ず薫に聴いてもらう。
それが2人の約束事になってるけど
雪子は薫に会う理由ができて嬉しいみたいな
ことを思っているシーンが確かあって

何か口実や理由がないと
連絡が取りにくかったり
会えなくなってしまう気持ちも
わかるなあ…と思った。

大好きな友達なんだけど
少し違和感を覚えたり、
環境が変わったりして、
距離が出来て
そんな風に思ったことが私にもある。


価値観の違い、
相手の考えについての違和感を
正直に話し合えたこの2人はすごいなと思う。

私は小学生の頃から仲良しだった友達とは
価値観の違いや違和感を感じて
段々と連絡を取る回数が減り
ついには連絡を取り合うことも
会うこともなくなっちゃった。


私の場合、
違和感を感じる場面に遭遇したとして
もしそれが絶対に間違ってることだと思ってしまったら
その価値観を受け入れる寛容さを持ってないし
そういう考えもあるよね~と
受け流して付き合い続けることは
大人になった今でもできない気がする。



それどころか私の考えを分かってほしいと
相手に押し付けてしまうと思う。


それが嫌で
ぶつかる事を回避して
少しだけ距離を置くつもりが
疎遠になっちゃったんだと思うけど。



昔を知ってるからこそ
共感できないことが起きたり
友達の知らない一面に直面したときに
ショックを受けるんだよね…

分かり合えてると思ってたから尚更。

ラストの2人が言い合うシーンは
ショックが大きすぎる故の激しさ。


まさに「ままならない」私とあなた

ままならないとは
十分でない、思い通りでない、
といった意味。

本のタイトルも秀逸だなと思った。



どっちが正しいとか
どっちが間違ってるとか
そんなことは決められない。


便利さ、効率は
仕事や生活する上では欠かせないから
車も乗るし、電車も乗る。
パソコンも使うし、スマホも使う。


でも人間関係を築く上では
不便なことや煩わしいこと
非効率だと思うことも
必要な時があると思うから。



色んな人がいて
色んな考えがあるんだから
もっと相手を尊重出来る人間になりたい
と思った作品でした。

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